月経前症候群(PMS)とは
月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)は、「月経開始の3~10日前から始まる精神的・身体的症状で、月経開始とともに減退ないし消失するもの」を指します。
イライラする、気持ちが沈むといった精神症状や、頭痛、腹痛、乳房痛などの身体症状がみられ、月経開始とともに症状が和らぎます。女性の約8割は、このような経験をしているといわれています。
症状があってもすべての人に治療が必要なわけではありませんが、毎月生じる症状で日常生活に支障をきたすほどであれば、ご相談ください。
PMSの治療
治療としては、たとえば症状を日記につけていくなどして、症状発現日と月経周期の関係についての理解を深めることで、症状への対処をしやすくする方法もあります。PMSによってストレスがたまり、さらにPMSが悪化するという悪循環を断ち切るためにも、病気を理解し、気分転換の時間をとってリラックスすることも症状の改善には有効です。
症状が重い場合は周囲の理解も得て、仕事や家事の負担を軽減することも大切です。 薬による治療としては、排卵を休止し、女性ホルモンの変動をなくすことにより症状の軽減を図る目的で低用量ピルを使用する場合があります。
また痛みなどの症状に対しては鎮痛剤、むくみなどの症状に対しては体外に水分を排出する利尿剤や抗アルドステロン薬、精神神経症状や自律神経症状に対しては精神安定剤や選択的セロトニン再取り込み阻害薬(抗不安薬、抗うつ薬)を使用します。また漢方薬を用いることもあります。